夢の国のお姫様だなんて
そんな御大層なモンにはなれないけど
ツンデレラ城の瞳
「おいトシ、見ろよ。懐かしいなぁ〜。」
「ん?」
夕食を終えた大広間で煙草をふかしながら新聞を読んでいると、傍らで茶を啜っていた近藤さんが俺の肩を叩き、テレビを指し示した。
『私は今、江戸の新名所として注目されている大江戸遊園地に来ています!』
見ると、髪を二つに括って華やかな着物を纏った──大江戸テレビの花野とかいうアナウンサーが老若男女入り混じった人込みの中をマイク片手に
歩いている映像が映し出された。
「あの時は栗子ちゃん守るためにとっつぁんとあちこち駆けずり回ったっけなぁ〜。」
「俺ァ近藤さんの座高が高くなってドン引いた事、一生忘れませんぜィ。」
「・・・っそ、それは・・・!」
こちらに背を向けて寝そべりながら煎餅をかじる総悟の口から発せられた辛辣な言葉に、近藤さんが一気にしょげ返ってうなだれるのが分かった。
「こ、近藤さん・・・! てめっ、総悟! 変な事思い出させてんじゃねーよ。」
俺は手に持っていた新聞をバサリとその辺に捨て、宥めるように近藤さんの肩を揺すった。
「・・・そういやトシもドン引いてたよな・・・」
「違っ・・・! あ、あれはちょっと驚いただけだ。」
そんな事で嫌いになったりしねェから・・・。
そう耳元で囁いてやると、近藤さんはゆっくりと顔を振り向かせた。
「・・・ホント?」
「当たり前じゃねェか。どんだけ深い付き合いしてると思ってんだよ・・・」
「トシ・・・」
双眸に薄く涙を滲ませた近藤さんの顔がこちらに迫ってきた。
あっ・・・、駄目だ。 他の隊士の奴らも見てるのに・・・。
「土方さん、俺ァアンタがマヨラ13とかいう恥ずかしいヒーロー気取った事も一生忘れませんぜィ。」
「なっ! ・・・テメェだってソウゴ13とか言ってノリノリだったじゃねーか!」
俺は慌てて前へ向き直り、新聞を拾った。
近藤さんも隣でコホンと一つ咳払いをすると、ハハハ、とよく分からない空笑いをしながら呆気に取られている隊士達に軽く手を振って場を濁した。
危ねェ危ねェ。 完全に二人の世界に入るところだった。
(コイツは背中に目玉でも付いてんのか・・・?)
新聞を畳みながら、俺は依然としてテレビを見ながらバリバリと煎餅をかじり続けている総悟を見遣った。
良くも悪くも、コイツはいつも絶妙なタイミングで口を挟んでくる。
まぁコイツとも付き合いが長いわけだから、そこまで不思議に思うこともないっちゃあないのだが。
『さぁ、いよいよ見えて参りました。カップルに今大人気のスポット、大江戸遊園地のツンデレラ城です!』
一層大きく、甲高くなったアナウンサーの声に、大広間に居た皆の視線がテレビに集まった。
『見えますでしょうか? あの二階部分から大きくこちらへせり出したあのベランダ、あそこでキスをしてそれを写真に収めたカップルは生涯結ばれ続けるとして、
連日ここを訪れるカップルが絶えないということなんですね〜。』
アナウンサーを映していたカメラが徐々にベランダの方へズームされ、観衆の中、代わる代わるカップルが現れてはキスを交わし、職員のカメラから焚かれる
フラッシュを浴びていた。
「ほぉ〜。スゲェなぁ、トシ!」
「・・・はっ、よくあんな所で恥ずかしげもなく接吻なんかできるもんだぜ。」
「アンタらだって今さっきそこでしようとしてたじゃないですかィ。」
空になった菓子盆を持って起き上がった総悟が、冷ややかな目で俺と近藤さんを振り返った。
「なっ・・・! 別に俺達ァ何も・・・」
「はっはっは〜、バレてたかぁ。」
「近藤さん!」
素直に総悟の挑発に乗ってしまう純粋なその人に、俺は頬に血が上ってくるのを感じた。
「何赤くなってんですかィ? そんなにラブラブしてェならお二人もここへ行ってきたらいいじゃないですかィ。」
親指でテレビを指しながら、総悟は戸棚から新しい煎餅の袋を引っ張り出して封を開け、菓子盆に移した。
「おぅ、いいなぁ。トシ今度行くか?」
「誰が行くかよ。・・・大体何だツンデレラって。聞いた事ねーぞそんなモン。」
「おや、土方さん知らねーんですかい? 童話の『ツンデレラ』。」
「あァ?」
周りを見渡すと、皆きょとんとした顔でこちらを見ていた。
何だその顔は。 アレ? 知らねーの俺だけか?
「シ・・・シンデレラの間違いじゃねーのか?」
「違いまさァ。シンデレラはシンデレラで別の話。『ツンデレラ』ってなァですねィ・・・」
総悟は煎餅を一口かじった。
「ツンツンした性格のあまり家族に持て余されて家から追ん出された女の子が道でボロボロんなって行き倒れているところを王子様に拾われて、
そのデレデレした面で王子様を落として結ばれるんですがねィ、そのうち王だの女王だの王家の人間皆を騙しに騙して、ついには城の者を
皆殺しにしてその城を乗っ取ったという全くもって土方さんそっくりなしたたかなお姫様の事でさァ。」
「どこがだァァァ!! ってか何だその話!? ロマンティックの欠片もねーじゃねェか。」
言うと、総悟は冷静に近藤さんの茶を一口啜り、また煎餅をかじった。
「ホラ、本当は恐ろしい何とやら、ってヤツでさァ。殆どの奴らは二人が結ばれたトコまでしか知らねェんでさァ。」
「へぇ〜、俺もそこまでしか知らなかったなぁ。何か怖いお姫様だなァ、トシ?」
近藤さんが身を竦めて俺の袖を掴んだ。
話を聞いていた他の皆も、感心したように口々に何やら言い合っている。
「・・・オイ、皆知らねェみてェだぞ? 作り話じゃねェのか、それ?」
「だから殆ど知られてねェって事でさァ。あの城造った遊園地の人間も知りゃァしねェんでしょう。」
テレビの画面は既に違う話題に切り替わっていた。
「まァ安心しなせェ。ストーリーはどうであれ、現にあんだけ盛り上がってんだ。邪気も何も吹っ飛んじまってらァ。・・・おっ、」
それだけ言うと、総悟はテレビのスプラッター映画特集に釘付けになった。
何なんだこの情報番組は。
「なぁトシ、やっぱり行こうぜ。確か週末、俺ら休みだったよなぁ?」
「・・・あ・・・まぁ、そりゃそうだけど・・・」
今ひとつ乗り気がしなくて渋っていると、近藤さんは掴んだままだった俺の袖をぐいと引いた。
「大丈夫だよ、二人っきりで行くんだから。誰にも邪魔させねェよ・・・」
「近藤さん・・・」
「トシ・・・」
近藤さんの膝に手をついて半ば倒れ掛かっていた俺の頬に、そっとその手が重なった。
あぁ・・・駄目だ。 また熱が上ってきちまう・・・
「近藤さん、見なせェ。」
「ん? ・・・んぎゃああああぁぁぁー!!」
画面に大写しになった血まみれの顔に、近藤さんが白目を剥いてひっくり返った。
「ちょ・・・っ、オイ近藤さん! しっかりしろ!」
「だ、大丈夫スか、局長!」
「局長ー!!」
駆け寄ってきた奴らの手を借りて近藤さんの体を抱え上げると、背後から「けけけっ・・・」という怪しげな笑い声が聞こえてきた。
この野郎・・・いつか本格的にシメ上げてやる・・・。
*****
3月3日、それは奇しくも雛祭りの日だった。
土曜日であるせいか遊園地はやはり少し込み合うくらいの状態で、カップルや家族連れなど客層は広くはあったけれど、しかし
どんな中でも三十路近い男二人連れというのは遊園地という場に馴染まない。
せめて総悟や他の奴らも連れて団体で歩いてた方が・・・いや、やっぱりおかしいか。
「トシ、あったぞ! ツンデレラ城!!」
近藤さんが興奮して俺の手を引き、真新しい白さに輝く大きな城を指差した。
「オ、オイ・・・あんまり騒ぐなよ。それに手・・・」
「いいじゃねぇか。ホラ、写真撮りに行こうぜ!」
近藤さんが俺の手を引いて小走りに駆け出した。
「ちょ・・・こんなトコで撮れねェよ・・・!」
ただでさえ全体的に人が多いというのに、一番の人気スポットであるツンデレラ城は他のアトラクションに勝って人だかりができていた。
「別にキスはしなくても、普通に撮ってる奴らだっているじゃねェか。」
見ると、ロミオとジュリエットよろしくせり出したベランダには、カメラに向かって思い思いのポーズをとる10代と思しき4人の女の子が立っていた。
「ああいう奴らは違和感ねェけどさ・・・流石にこんないい年した男二人で撮るなんておかしいって・・・」
「おかしかねェよ。行くぞ。」
「嫌だ・・・!」
駄々を捏ねる子供のようにその場に踏みとどまろうと足に力を込めると、俺の手を引いていた力がふっと緩んだ。
「トシ・・・」
いつもなら近藤さんの願いは何でも聞き入れる俺だけれど、ここはどうしても譲れなかった。
恥ずかしさというやつはどうにも拭い切れねェ・・・。
「・・・すまねェ、近藤さん・・・」
「分かった。ごめんな、なんか無理言って・・・」
違う。 近藤さんは悪くないのに。
すまなさに、俺は不覚にも泣きそうになっているな、と思った。
「・・・あ、トシあれ。」
「・・・ん?」
俯き加減に示された方向を見ると、小さな小屋のような建物に、きらびやかな衣装が幾つも並んでいるのが見えた。
いわゆる「なりきり」というやつだろうか。 忍者やら殿様やら、好きな衣装を纏ってその人物の気分に浸れるという。
またの名を「コスプレ」ともいうが・・・
「あそこで何か女物の着物に着替えれば良くね? カツラでもつけりゃあトシなら女に見えるって。」
「え・・・? で、でも男が女物を選ぶってのも・・・」
「パッと衣装取って着替えちゃえば分かんねェよ。行こう。」
またも強引に手を引かれ、俺と近藤さんはその小屋へ入った。
*****
「まぁ〜♪ 良くお似合いですよォ、お客さん♪」
「や・・・そうか?」
「おぉ、やっぱトシが着ると様になるなぁ〜!」
変な帽子を被った何やらカマ臭い店員に化粧まで施され、俺は変な生き物でも見るように鏡に映る自分の顔を眺めた。
赤地に桜の模様が散りばめられた派手な着物には少々抵抗があったけれど、近藤さんにそれが一番似合うから、と押し切られ、ついでに
この店員にも強く勧められた挙句、されるがままになってしまった。
その近藤さんはと言うと、これまた店員に乗せられて着流しから黒の紋付に着替えていた。
都合のいいことにその紋は近藤家のものと同じ丸に三つ引きで。
「まぁ〜、彼も男前だし羨ましいわぁ♪」
「いやぁそうですか? はっはっは〜!」
・・・やっぱり近藤さんはこういう系にはモテるルックスなのか・・・。
「じゃあ行くか、トシ。」
「・・・お、おう。」
レンタル料を払って小屋を出ると、道行く客達の視線が妙に俺達に集まっているような感覚に包まれた。
「近藤さん・・・なんか目立ってねェか・・・?」
俺は繋いだ手にぎゅっと力を込め、全てを結わずに肩に垂らした髪を指でいじった。
「んー? トシが美人だから皆見惚れてんだよ。」
「そ、そんな事・・・」
あってもなくても嬉しくない。
・・・というか俺より近藤さんの紋付の方が目立ってそうなのだけれど・・・。
「さ、これで気兼ねなく撮れるな!」
改めてツンデレラ城の前に立ち、近藤さんは高くそびえるそれを見上げて一つ頷くと、二階へ続く列の最後尾に並んだ。
「階段、歩きにくくないか?」
「ん・・・平気だ。」
つとめて小声で、俺は答えた。 ルックスは誤魔化せても声で男だと感付かれてはどうしようもない。
今や前も後ろもカップルに挟まれ、俺はますます身をこわばらせながら近藤さんの腕に寄り添った。
(まさか外でこんな恋人らしい振る舞いができるとはな・・・)
かなり強引ではあるけれど、嫌な気はしなかった。
この腕に掴まっていれば間違いがないような、俺を守ってくれるような、そんな安心感があって。
一段ずつ列が動いていき、やがて俺達の番がやって来た。
「カップルの方ですか?」
「はい、そーです♪」
俯いて緊張している俺の横で、近藤さんが楽しそうに職員の問いに答えた。
「でしたらこの結婚式タイプのフレームもございますが、いかがでしょう?」
「あ、お願いしまーす♪ トシ、いいよな?」
俯いたままコクコクと首を振ると、かしこまりました、という声が聞こえた。
「それでは足元お気をつけて前へお進み下さい。」
「はーい♪」
歩き出す近藤さんに従って進むと、薄暗い城から日の光が降り注ぐベランダへ出た。
「おー、またカップルだ。」
「わぁ、あの人綺麗。」
下を見ると、カメラを手にする職員の他に、やはりガヤガヤ騒ぐ観衆の姿があった。
バカヤロウ、どっか行きやがれ。 人が写真撮るの見て何が楽しいんだ。
「結構高いなぁ、トシ。」
それどころじゃない。別の意味で頭がくらくらしてくるというのに。
「はーい、じゃあ写真撮りまーす!」
カメラを構えた女の職員が手を振って合図をし、俺は恐る恐る顔を上げた。
「トシ、ちゃんと笑顔で写るんだぞ?」
「わ、わかってるよ・・・」
「行きまーす、ハイ、チーズ!」
パシャ、とフラッシュが光り、俺はすぐさま再び俯いた。
多分ちゃんと笑えた・・・と思う。
「はい、ではもう一枚撮りまーす!」
「あ、ちょっと待って下さーい!」
突然近藤さんが遮り、俺は思わず顔を上げた。
「ど、どうかしたのか?」
「うん・・・やっぱ俺達二人だけってのもなぁ、と思って・・・。」
「え・・・まさか誰か下居んのか?」
「うん。総悟ー!」
な・に!?
ツタが絡まる手すりを掴んでバッと下を見ると、一般客の脇からぞろぞろと見慣れた顔が現れた。
しかしその中には先刻衣装小屋で俺の着付けをした店員も居て、俺は訳が分からずただ近藤さんの顔と下の面々を交互に見た。
「おー! スゲー副長、美人じゃ〜ん!」
「やるなぁ、お前!」
原田に背を叩かれ、店員が帽子と付け髭を外した。
「なっ・・・! 武・・・田?」
「副長〜ォ! ごめんなさいねェ、騙しちゃって〜♪」
恥ずかしさのあまり殆ど顔を上げずに着付けや化粧をされていたので全く気が付かなかった。
「ひーじかーたさーん。」
ショックを受けているところに追い討ちをかけるように間延びした声が届き、これも見慣れた栗色の頭が現れた。
「折角近藤さんの紋付まで用意したんですから、腹ァ括って下せェよ〜。」
やっぱりそういうことか。 どうもおかしいと思った時に気付くべきだった・・・。
「近藤さん・・・何で隠してたんだよ。」
「いや、あの・・・先に言っちゃったら絶対トシ反対すると思って・・・」
「当たりめェだろうが。今すぐ降りるぞ。全員切腹だ。」
「ま、待ってトシ! これ・・・」
近藤さんが懐から小さな箱を取り出した。
「受け取って・・・くれる・・・よな?」
「・・・ぇ・・・」
蓋を開けると、そこにはシンプルな銀の輪が入っていて・・・
それを見とめたのか、辺りからわぁっと歓声が上がった。
「局長ー! 男だぜー!」
「副長〜、もう全部バレてんだから観念した方がいいですよ〜?」
クソ隊士共が野次る中、近藤さんは箱からその輪──結婚指輪を取り外すと、呆然と立ち尽くしている俺の左手を取った。
「こんど・・・さん・・・」
見ると、近藤さんの左薬指にはいつ付けたのか、既に同じ輪がはまっていた。
「トシ、結婚してくれ。」
また歓声が上がり、近藤さんが照れたように下の奴らにペコペコと頭を下げた。
「バカヤロウ・・・結婚なんてできるわけねーじゃねェか。」
何か熱いものが頬を伝う感覚がした。
「トシ・・・。 気休めでもいいから・・・な?」
薬指に、その輪がはまった。
サイズはピッタリだった。 畜生、一体いつ測ったんだ。
俯いたままの頬に大きな手が伸び、涙の後を拭った。
「泣くなよ。皆見てる・・・」
「誰が呼んだんだよ。」
キッと睨み上げると、近藤さんの腕に引かれ、そのままその胸に抱き寄せられた。
「おぉーっ!」
また観衆から声が上がる。 テメェらいい加減にどっか行きやがれ。
「一生お守りします、ツンデレラ姫。」
「・・・バカヤロウ。影響されてんじゃねーよ。」
言いながら、俺は指輪のはまったその手で、王子・・・もとい、近藤さんの背を抱いた。
「せーっぷん、せーっぷん・・・」
地上から謎のコールが上がり、見ると総悟の野郎がどこから持ってきたのか拡声器を手にコールの指揮を執っていた。
「せーっぷん、せーっぷん、」
「「「せーっぷん、せーっぷん!」」」
悪乗りしたクソ隊士共も加わってどんどん大きくなっていくそのコールに、近藤さんが体を離した。
「すいまっせーん! お待たせしました〜、写真お願いしまーす!」
「・・・え、ちょ・・・まさか・・・」
下を見ると、事の次第をぼんやり眺めていた職員が慌ててカメラを構えた。
「行きますよ〜、ハイ、チーズ!」
「んっ・・・!」
ぶつかるように、唇が重なった。
パシャ
一瞬の沈黙とフラッシュの後、ウォーッというむさくるしい男共の歓声が上がり、次いで拍手の嵐が起こった。
「わー、なんか凄い事態になっちまったなぁ・・・」
「近藤さん、行くぞ。ちょっともう切腹とか待ってらんないから。」
「え・・・? 待っ、トシィィィー!?」
俺は近藤さんの腰から刀を抜き取ると着物が乱れるのにも構わず全力で階段を駆け下りた。
途中でヅラが外れたかも知れないが、もうどうだっていい。
「総悟ォォー!!」
ガキィン、と刀と拡声器が打ち合う音がして、その刃が折れて吹っ飛んだ。
「あ゛あぁぁぁぁー!! 虎徹っちゃん2号がぁぁぁー!!!」
そんな愛する人の悲痛な叫びも無視し、俺は近くに居たクソ隊士の刀を抜き取ると誰彼構わずそれを振るった。
歓声の渦から叫び声の渦に変わったツンデレラ城の前は、まさしくそのストーリーに相応しい地獄絵図へと変貌を遂げた。
*****
あの日以後、散々暴れ回ったトシは熱を出してしばらく寝込んだ。
その間、ツンデレラ城で撮影した2枚の写真は総悟の手によって様々に拡大・縮小され、屯所のあらゆる所を飾った。
玄関、道場、大広間、各隊士の居室、そして厠にさえも。
「トシ〜。どうだ、調子は?」
「ん・・・」
でも、赤い顔をしてそっと俺に縋ってくるその左手には確かに指輪がはまっていて。
俺にはそれが何よりの証明で。
「トシ、愛してるぞ・・・」
「ん・・・」
その手を握れば、他には何もいらないって。
潤んだその瞳に、誓うよ。
(了)
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ハイ、またも長ェェェー!!!
えー、沙由様からリクエストをいただいた、結婚式小説でした。
ちなみにタイトルはシンカンセン様の「阿○羅城の瞳」から。 内容全く知りませんが。(をーい)
・・・あの・・・こんなので良かったですかね・・・??(ビクビク)
後半はなんか少女漫画のような展開で、勲の台詞回しが何かおかしくて。(笑)
なんとかトシたんだけでも通常キャラで居させようと思ったのですが、
いやあもうグダグダです。(爆)
でも真選組はこのぐらいグダグダであって欲しいな。私の個人的趣味としては。
あ、あとそごたんがいつもに増して黒い感じですが、あれは二人への愛ゆえということでどうか。
あと原作にチラホラ登場するカマキャラは勝手に観念斎さんにさせていただきました。
「!」のヤシマさんのイメージで。
では、改めましてリク有難う御座いました!
こんなんですが、書いててすっごく楽しかったです☆